長くてごめん 『新選組!』 第28話 そして池田屋へ!

BB-number102004-07-19



新選組!』withほぼ日テレビガイド(http://www.1101.com/2004_TV_taiga/index.html)も始まって絶好調の新選組!ですが、今日久々に見ました。いつも日曜は用事があったりして見逃してたんだけど…。HDにいれとけって話ですね。で、このドラマって本当傑作だと思う。ほぼ日の人もみんな言ってるけど、役者たちの青臭さが新撰組の青臭さをうまく表している。一年かけてじっくりやれるドラマなんて今の世の中他になくて、そんなドラマの中で若手たちがこうやって成長していってる姿っていうのは、まさに時代を生きる、時代を切り開いていく新撰組のみんなと重なりますよね。


で、今日の感想。坂本竜馬が「こんなこと(殺し合い)をしても無意味なのに、どうしてみんなわからないんだ」という趣旨のことを言っていて、それはまんま視聴者の心だな、と。多分三谷さんの気持ちでもあって、でも三谷さんは「それでも新撰組はやらざるをえなかったんだ」ということもわかっていて、そのことがとても悲しいんだろうなと感じました。桂の悲しさ、亀の悲しさ、坂本の悲しさ、近藤の悲しさ。どうして誰も彼もがこんなに悲しまないといけないんだろう、幕府や政府は何をしているのか、と考えてしまう遣る瀬無さは、まるで自分がその時代を生きているかのような錯覚を覚えます。リアルだなあ…新撰組。正直、私は歴史には明るくないんですよ。だから彼らの話している政治的なところとか何となくしかわからない。幕末の人もさ(一部を除いて)、きっと全体なんかわからない中で、時代に不安を抱えながら、だからこそ自分の信念だけを信じてがむしゃらに生きていたんだろうなー…。


史実にも明るい人からは「あのシーンがない」「この事実はなかった」というツッコミも多々あるようで、それはわからんでもないのですが、そういう時代の持つ悲しさ(そしてそこに生きているのは、気のいい、何でもない普通の人ばかりなのだということ)を表現できているという点では、このドラマは傑作だと思うし、決して嘘はついていないと思います。茶化しはありますけど誤魔化しはありません。私は好きです。


で、役者のセレクトがまた抜群にいいですよね。新撰組隊士の中では、香取慎吾山本耕史藤原竜也堺雅人大倉孝二山本太郎中村勘太郎八嶋智人あたりが好きです。
堺さんは優男で上品で頭良さそうに見えるのが凄い。ていうか今回怒鳴ったじゃん。そこで沖田が「山南さんでも怒鳴ったりするんだ…」って言ってたけど、あれも新撰組におけるほころびだよね。怒鳴るような状況を(意図的に)作り出したのは土方だし、そこにまんまとのってしまったわけだよね…辛いよな、山南さん。わかるよ。切羽詰ってんだな、みんな。
山本君は、何も言わずにただ立ってるだけでも女たらしに見えるのが凄い、厳しい顔が本当に厳しい。しかも悪い。でも良い。なんか凄い、上手くいえないけどとにかく凄い。
藤原君は、ふとした時に見せる表情が凄い。台詞と台詞の間の表情が凄い。行間がとにかく上手すぎる。難しい役であればあるほど彼は生きるね。今回で言えば「私は運がいいから」って言った後の数秒の表情とか良かった。イノセントでありながら、この子は幸せにはなれないんだろうなっていう予感を感じさせる。吐血したときの表情も素晴らしかった。
香取君は、どんどん良くなってる。三谷さんやスタッフの期待に応えようと彼ががむしゃらにやっているのが伝わってくる。下手とか上手いとかじゃなくて、心を感じる。主役が香取君でよかったと思う。小手先で小器用にやられちゃったらこのドラマは終わっていた。ドクの時と一緒で、たどたどしさが逆に良い。
八嶋は悪そうで(・∀・)イイ!!なんか出世欲とか超ありそうで(・∀・)イイ!!
山本さんと大倉さんは和み要員。和み要員である大倉さんがこれからたどる運命を考えるとちょっとほろりくる。
中村勘太郎は以前日記にも書いたけど、かなりお気に入り。性格良さそうに見えるかつ実力派の役者って本当国宝もんだよアンタ!


他にも好きな役者がたくさんです。誤魔化さずに、真剣に、単なるマスコットで終わることがない役者が多くて嬉しいです。でも今のテレビドラマって誤魔化しだらけだから、彼らみたいに真剣勝負ができる役者たちが本当に生きる場所ってなかなかない気がして残念だ。ところでおりょうさんをやっている麻生久美子さんってお綺麗ですね。おりょうさんのイメージではないんですが、綺麗だなーと思って見惚れてしまいました。